FEMによる渦電流(eddy current)場の過渡応答の計算
1. はじめに
変位電流が無視できるような周波数帯は準定常場とよばれ、渦電流場問題で使われます。
支配方程式は、ベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシャルφで表したものが使われることが多いようです(A-φ法)。ポテンシャルにはなんらかのゲージを課す必要がありますが、ここではクーロンゲージ(∇・A= 0)を用いています。
2. 渦電流場の過渡解析の定式化
pdfにまとめました。
Two Dimensional Transient Eddy Current Problem
http://starlightparade.usamimi.info/ivyfem/doc/EddyCurrent2D.pdf?p=0
3, 計算結果
3.1. 鋼鉄の角材の両端に直流電圧をかける
図の色を付けた鋼鉄の断面を解析領域とします。
鋼鉄
断面の幅 w = 1.0;
断面の高さ h = w / 2
比透磁率μr = 300
導電率σ = 8.33 x 10^5 S/m
印加電圧の勾配 ∇φ = -1 V/m
空気と鋼鉄の境界ではベクトルポテンシャルのz成分A=0としています。
時間の経過順に分布を示します。
サーモグラフィーはベクトルポテンシャルのz成分A、矢印は断面内磁束密度ベクトルBです。
時間が経過するにつれて磁束が鋼鉄内部に浸透していく様子が見られます。
3.2. スイッチトリラクタンスモータ(Switched reluctance motor, SRM)
ステーター
比透磁率 = 1000
導電率 = 1.39 x 10^6 S/m
ローター
比透磁率 = 1000
導電率 = 1.39 x 10^6 S/m
コイル
導電率 = 59.0 x 10^6 S/m
100Vの三相交流を印加
4. まとめ
2次元渦電流場をA-φ法で計算しました。