フォトニック結晶導波路の固有モードの周期構造解析用FEMによる計算
フォトニック導波路の固有モードを2次元導波路周期構造解析用FEM(こことここで書いたもの)で計算してみました。
引用元
Masanori Koshiba,
"Wavelength division multiplexing and demultiplexing with photonic crystal waveguide couplers"
http://eprints2008.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/5582/1/JLT19-12.pdf
Journal of Lightwave Technology, vol. 19, no. 12, December 2001
フォトニック結晶導波路(単一導波路)(single photonic crystal waveguide)
フォトニック結晶の格子定数をa、誘電体ロッドの屈折率n = 3.4、半径r = 0.18aとし、ロッドの方向に電界があるTEモードの場合について計算してみました。(引用元のFig.3のSingle Waveguide)
CAD図面
解析領域の導波路幅(導波管としてあつかっています)をW = 11a、ロッドを上下に5つ並べた構造で計算しました。左右の境界に周期構造条件を適用します。また上下の境界は電気壁として処理しました。
計算結果※一番下の追記を参照。
理論的にはa/λ が0.302から 0.443の間(2W/λが6.6440から9.7460の間)でフォトニックバンドギャップ(PBG)が形成されるようですが、今回の計算では2W/λが7.4から10.5までの間で該当するモードを確認できました。PBGの範囲は少々ずれていますが、モードの分布は中央のロッドのない欠陥部分に集中していてそれらしい結果です。
なお、規格化伝搬定数のグラフで2W/λが7.4より前は誤検出したモードです。まだまだ処理で改善すべきところがありそうです。
導波路内の分布でフィルタリングをかけてみたところ、2W/λが7.4より前の周波数でも、欠陥部分に局在するモードが計算できていることが分かりました。ただ、伝搬定数は虚数となっており減衰波でした。
【追記】ロッドの部分の要素分割を放射状にすると計算結果が改善されたので結果を載せておきます。
図面
ロッドの中心に頂点を追加することで、ロッドの中心を頂点とする三角形メッシュが生成されるようにしました。
計算結果
遮断周波数は、2W/λ = 7.18 (a/λ = 0.326)となりました。引用文献では、a/λ = 0.31あたりなのでまだ高周波側ですが、前の結果と比べると文献の結果に近くなりました。
【追記2】
伝達問題を解いたとき、【追記】の分割でも充分でなかったので要素分割数を増やしました。
フォトニック導波路の伝達問題の計算
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2012/12/15/061142
伝達問題計算時に使用した固有モードの計算結果を追記します。
DelFEM_SampleApp/wg2d_periodic_eigenのMainLogic.csの1362行目
const int ndivForOneLattice = 4;
const int ndivForOneLattice = 6;