ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

2020-01-01から1年間の記事一覧

時間領域FEMによるLamb wave弾性波導波路伝達問題ーPMLを用いる場合ー

1. はじめに これまで弾性波プレート導波路の伝達問題を周波数領域FEMで解いてきました。 今回時間領域FEM(Time Domain Finite Element Method)でLamb wave弾性波導波路の伝達問題を解いています。 解析端の境界条件にはPML(Perfectly Matched Layers)を用い…

SH wave(Shear Horizontal Wave)弾性波プレート導波路の伝達問題ーPMLを用いた場合とABC(吸収境界条件)を用いた場合ー

1. はじめに 前にSH wave弾性波導波路の伝達問題を計算しましたが、そのときポート境界条件は固有モード展開を用いました。 本記事ではポート境界条件にPMLを装荷した場合と、ABC(吸収境界条件, Absorbing Boundary Conditions)を用いた場合の2つの定式化を…

吸収境界条件(ABC,Absorbing Boundary Conditions)を用いたLamb wave弾性波プレート導波路の伝達問題の計算

1. はじめに これまでにLamb waveの弾性波プレート導波路の伝達問題(transmission problem, 不連続問題 discontinuity problem, 散乱問題 scattering problem)について半無限長導波路を表現するために固有モード展開を用いる方法とPML(Perfectly Matched Lay…

PML(Perfectly Matched Layers,完全整合層)を用いたLamb wave弾性波導波路の伝達問題のFEM計算

1. はじめに 前に弾性波導波路(elastic waveguides)のLamb wave伝達問題(transmission problem, 不連続問題 discontinuity problem、散乱問題 scattering problem)をFEMで解きましたが、ポート境界は固有モード展開を用いて表現しました。 本記事では、ポー…

弾性波プレート導波路(elastic plate waveguides)、SH wave(Shear Horizontal wave)の伝達問題(不連続問題、散乱問題)

1. はじめに 前記事で弾性波プレート導波路を伝搬するLamb waveの伝達問題を定式化、計算しました。 本記事ではSH wave(Shear Horizontal wave)の伝達問題を定式化、計算します。 2. SH waveの伝達問題の定式化 pdfにまとめました。 Frequency Domain FEM Fo…

弾性波プレート導波路(elastic plate waveguides)、Lamb waveの伝達問題(不連続問題、散乱問題)

1. はじめに 弾性波プレート導波路を伝搬するLamb waveの基本モードをポート1から入射したとき、不連続部により反射する、またはポート2に透過するのをFEMで計算しています。 基本モードは対称な分布のモードのため、中央面(mid-plane)を境に半分にした領域…

FEMによる渦電流(eddy current)場の過渡応答の計算

1. はじめに 変位電流が無視できるような周波数帯は準定常場とよばれ、渦電流場問題で使われます。 支配方程式は、ベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシャルφで表したものが使われることが多いようです(A-φ法)。ポテンシャルにはなんらかのゲージを課す…

厚さの伸び縮みを考慮したMITC3シェル要素の定式化と非圧縮性超弾性体(Mooney-Rivlin)の薄板曲げ計算

1. はじめに 前記事ではMITC3シェル要素を用いた幾何学的非線形な変形の計算を行いました。 本記事では非圧縮性超弾性体(Mooney-Rivlinモデル)をMITC3シェル要素で解いています。 前記事ではSt.Venant-Kirchhoffモデルを用いましたが、厚さは変化しないもの…

MITC3シェル要素を用いた線形弾性体及び幾何学的非線形(有限回転)(St.Venant-Kirchhoff)薄板の曲げ計算

1. はじめに これまで薄板の曲げの計算にDKT(discrete Kirchhoff Theory)要素、Mindlin薄板要素を用いました。これらはKirchhoff-Love板理論やReisner-Mindlin板理論といった特別な仮定のもとで定式化したものです。 一方3次元のソリッド要素、例えば三角柱…

Mindlin板要素による薄板の曲げの計算

1. はじめに 前記事ではDiscrete Kirchhoff板理論による三角形要素(DKT要素)を使いましたが、今回はMindlin板理論による三角形要素を使って薄板の曲げを計算します。 2. 定式化 pdfにまとめました。 Reissner-Mindlin Plate Bending Triagular Elements http…

Discrete Kirchhoff Theory(DKT)三角形薄板要素(Flat Plate Element)による曲げの計算

1. はじめに 薄板の曲げの理論にはKirchhoffの板理論があります。ただ、この理論に基づく2次元要素に有効なものはないとのことです。 Kirchhoffの板理論を一般化したReissner-Mindlinの板理論を基礎とし、2次三角形要素の6節点上でのみKirchhoffの仮定を満た…

Total Lagrange法による幾何学的非線形梁(Euler-Bernoulli field-consistent TL Beam、Timoshenko TL Beam)の計算

1. はじめに 幾何学的非線形梁をTotal Lagrange法を用いて計算します。 Euler-Bernoulli梁の場合は、変位と回転角に関係式が存在するため、変位2つ(uX、uY)と回転角(θ)は自由度について非線形な補間関数を構成する必要があります。これをfield-consistentな…

Co-rotational Beam(Frame):Euler-Bernoulli Shallow Arch BeamとTimoshenko Beam

1. はじめに 幾何学的非線形な梁をCo-rotational法を用いて計算しています。 Co-rotational法は変位を剛体運動と微小変形に分離して考えます。 Euler-Bernoulli Shallow Arch梁とTimoshenko梁について定式化しています。 2. Co-rotational Formulation pdfに…

ビーム(フレーム)要素をトラスに適用するとき回転角の扱い

1. はじめに フレーム要素を下記のような梁+トラス構造の解析に使いましたが、間違っていることに気付いたので記します。 2. 複数のビームが接続する節点の連続性 3つのビームが1つの節点に接続されている場合、X方向変位u、Y方向変位vは連続としていいの…

Euler-Bernoulli梁とTimoshenko梁のビーム要素、フレーム要素の定式化と計算結果比較

1. はじめに 前記事で1次元構造要素のトラス、ビーム、フレーム要素によるFEM変位計算を行いましたが、そこで用いたビーム、フレームはEuler-Bernoulli梁をもとにしていました。 本記事ではTimoshenko梁のビーム、フレーム要素を用いて計算しています。 2.Eu…

両端支持梁の固有振動のFEM固有値計算(ビーム要素、フレーム要素、線形弾性体、Saint Venant超弾性体)

1. はじめに ビーム要素とフレーム要素を実装したので、両端支持梁の固有振動を計算しました。 比較するために線形弾性体、Saint Venant超弾性体でも固有振動を計算しています。 2.両端支持梁 棒の断面は、 b=0.2 m h = (1/4)b 材料定数は、 E=169 GPa ν=0.2…

梁要素(トラス、ビーム、フレーム)を用いたFEM構造計算

1. はじめに 円柱や角柱のような棒をつなげて構造物を作るとき、柱の断面が長手方向に比べて十分小さい場合は、1次元の梁理論が適用できます。 弾性体を三角形要素で分割して曲げなどを計算しましたが、梁要素を使えば1次元として扱うことができ、線要素で分…

開放形導波路(Open-type, unbounded waveguides)のベクトル波固有モード計算

1. はじめに 前に遮蔽形導波路のベクトル波固有モードをedge/nodal FEMを用いて計算しました。 今回は遮蔽ボックスを取り払った場合、つまり開放形(Open-type, unbounded)の導波路をFEMを用いて計算しています。 開放形導波路の場合は、無限領域を内部の有限…

Vorticity Equationsによる流体のFEM計算ー標準ガラーキン法(Newmark βとRK4)とSUPG(streamline upwind Petrov-Galerkin)

1. はじめに Navier-Stokes方程式は速度ベクトルvと静水圧pを解く方程式でしたが、対流を表すvorticityベクトル ωと流線を表すstream functionベクトル ψを用いた定式化もできます。 2次元問題の場合、vorticity、stream functionは1方向しか成分を持たない…

Vorticity Equationsによる流体のFEM計算ー標準ガラーキン法(Newmark βとRK4)とSUPG(streamline upwind Petrov-Galerkin)

1. はじめに Navier-Stokes方程式は速度ベクトルvと静水圧pを解く方程式でしたが、対流を表すvorticityベクトル ωと流線を表すstream functionベクトル ψを用いた定式化もできます。 2次元問題の場合、vorticity、stream functionは1方向しか成分を持たない…

流体力学の支配方程式(Navier-Stokes Equations)を導く

流体力学の支配方程式、Navier-Stokes方程式を導く過程をpdfにまとめました。 以下の順に説明しています。 3 時間導関数 4 Eular の膨張公式 5 Reynolds の輸送定理 6 連続の式 7 Cauchy の第一運動法則 8 Cauchy の第二運動法則 9 非圧縮性の式 10 流体の構…

圧力ポアソン方程式(Pressure Poisson Equation)のFEM定式化(Standard Galerkin, SUPG)と計算結果

1. はじめに 以前、Navier-Stokes方程式 + div vの2式をガラーキン法で定式化し、Newmark β法とRK4(4次Runge Kutta)で解きました。またNewmark β法については粘性係数が小さい場合に対応するためSUPGの定式化も行いました。 今回、Navier-Stokes方程式と、Pr…

full-wave導波路固有モード解析のための2次edge element

1. はじめに 前記事で導波路ベクトル波(full-wave)固有モードをedge/nodal 三角形要素を用いて計算しましたが、用いたedge/nodal elementsは基本要素(1次要素)でした。 今回2次のedge/nodal elementsを用いてベクトル波導波路の固有モードを計算しています。…

edge elementsを用いた導波路のfull-wave固有モード計算の定式化と計算結果

1.はじめに 2次元導波路のfull-wave固有モードを計算するとき、通常の三角形要素(スカラ要素)だけでは、断面内の電磁界を表現できないのでedge elementを導入する必要があります。 2. 定式化 pdfにまとめました。 http://starlightparade.usamimi.info/ivy…

周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路CROW(coupled-resonator optical waveguide)の固有値問題、伝達問題の計算

1. はじめに フォトニック結晶に空洞(欠陥、共振器)を1ロッドおきに並べて結合させると導波路として使えます。この構造をCROW(coupled-resonator optical waveguide)と呼んでいます。 CROWの固有モード、および反射・透過特性を去年の11月終わりころIvyFEM…

Motor Methodによる2弾性体の接触問題の定式化

前記事で弾性体の変形解析の定式化を示しました。そこでは1つの弾性体が対象でした。ここでは、2つの弾性体が接触する問題を定式化しています。 Motor Methodと呼ばれる方法を用いて接触に関する拘束条件を課しています。 Two-body Contact By Mortor Method…

Ogden超弾性体のTotal Lagrange法によるFEMの定式化

非圧縮超弾性体はゴムなどの材料のモデルとして使用されるようです。 超弾性体はひずみポテンシャルを有する弾性体で、Mooney-Rivlinモデル、Ogdenモデルなどがあります。 どちらも実装しましたが、ここでは、Ogdenモデルを用いた場合の定式化を示します。 …

周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路の伝達問題の定式化 ーポート境界に固有モード展開を用いる

フォトニック結晶導波路の伝達問題(不連続問題 discontinuity problem、決定問題 deterministic problemとも呼ばれます)をFEMで計算しましたが、その定式化をpdfにまとめました。 伝達問題では、ポート上の界をどのようにとり扱うかがポイントになります。 …

Streamline Upwind Petrov-Galerkin (SUPG)によるNavier-Stokes方程式のFEM定式化

Navier-Stokes方程式をFEMで解く場合、標準ガラーキン法を用いると粘性率が小さい場合発散して解を求めることができなくなります。これに対する解決策としてSUPG(Streamline Upwind Petrov-Galerkin)法という安定化の方法があります。 昨年実装したSUPGの定…

流体力学:Navier-Stokes方程式の弱形式

流体力学の基本方程式Navier-Stokesの方程式の弱形式について思ったことを記述しました。 非圧縮Navier-Stokes方程式を出発点として弱形式を導き出すと、自然境界条件があいまいとなり物理的な境界条件でないことが分かりました。 自然境界条件が物理的な境…