周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路CROW(coupled-resonator optical waveguide)の固有値問題、伝達問題の計算
1. はじめに
フォトニック結晶に空洞(欠陥、共振器)を1ロッドおきに並べて結合させると導波路として使えます。この構造をCROW(coupled-resonator optical waveguide)と呼んでいます。
CROWの固有モード、および反射・透過特性を去年の11月終わりころIvyFEMで実装し計算しましたが記事にしていなかったのでまとめました。
60°三角形格子、エアホール型フォトニック結晶のTEzモードを対象にしています。
エアホールの半径r = 0.30a、a:格子定数で、基盤の屈折率n1 = 3.40、エアホールの屈折率n2=1として計算しました。
2. CROWの固有モード計算
CROWの1周期を次のように取り、左右の境界にFloquet(Bloch)の周期境界条件を適用します。
2.1. 偶モード
2.2. 奇モード
3. CROW直線導波路の反射・透過特性
偶モードを入射させたときの計算です。
ほぼ|S11|は0になっており、100%伝送できており、CROWが導波路として機能することが分かります。
4. CROW-CROW60°ベンドの反射・透過特性
異なる方向のCROWの接続としては60°ベンドが考えられます。
偶モードを入射させたときの計算です。
奇モードが存在するa/λ = 0.24~0.25あたりでは偶モードが奇モードに変換されています。奇モードが存在しない時は偶モードが出力されています。
5.CROW-欠陥導波路 90°ベンドの反射・透過特性
CROWと欠陥導波路の接続は90°ベンドで実現できます。
偶モードを入射させたときの計算です。
6. まとめ
フォトニック結晶導波路CROWの固有値問題および伝達問題を計算しました。