梁要素(トラス、ビーム、フレーム)を用いたFEM構造計算
1. はじめに
円柱や角柱のような棒をつなげて構造物を作るとき、柱の断面が長手方向に比べて十分小さい場合は、1次元の梁理論が適用できます。
弾性体を三角形要素で分割して曲げなどを計算しましたが、梁要素を使えば1次元として扱うことができ、線要素で分割することになります。
今回、梁要素として、軸方向の変位のみがあるトラス要素、一方向の軸に垂直な方向のたわみと回転を扱えるビーム要素、複数方向の梁を組み合わせることができるフレーム要素(トラス要素とビーム要素の足し合わせ)を実装しました。
2. トラス要素
棒の断面は、
b=0.2 m
h = (1/4)b
材料定数は、
E=169 GPa
ν=0.262
ρ=2300 kg/m^3
bの方向軸の断面の2次モーメントは、
I=(1/12) b h^3
とします。
トラス要素は1つの辺に1つだけ割り当てました。(計3要素)
計算結果
点1はローラーなので垂直方向に上下することが計算結果よりわかります。
3.ビーム要素(一方向)
梁の長さL=1mです。
ビーム要素で10分割しています。すべてのビーム要素が一方向に向いている場合のみ適用可能です。
計算結果
4. フレーム要素
梁にトラスを付けた構造を計算しました。トラス要素とビーム要素の両方をあわせたフレーム要素を用います。
トラスの一辺L=1m、したがって梁の長さは2Lになります。一辺Lにつきフレーム要素で10分割しています。
計算結果
5.まとめ
トラス、ビーム、フレーム要素を用いて骨組構造の計算を行いました。
なお、ここではEuler-Bernoulliの梁理論を使いました。他の方法もあるようなのでまたの機会に。