ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

三角形格子フォトニック結晶導波路のΓM方向の欠陥(結合共振器導波路 coupled resonator optical waveguide)

60°三角形格子のフォトニック結晶で導波路を構成するとき、結晶のΓ-K方向に欠陥を設けますが、Γ-M方向に欠陥を設けた構造もあるようです。特に1つの欠陥だけ設けた場合共振器を並べたような構成となり、共振器が互いに結合する形で波が運ばれていくようです。このような導波路を結合共振器導波路(CROW:coupled resonator optical waveguide)というようです。

ここでは、三角形格子CROWの固有モードを計算した結果を示します。

 

三角形格子CROWの固有モード計算

引用元

P. Sarrafi, A. Naqavi, K. Mehrany *, S. Khorasani, B. Rashidian

"An efficient approach toward guided mode extraction in two-dimensional photonic crystals"

http://sina.sharif.edu/~khorasani/Publications/32.pdf

Optics Communications 281 (2008) 2826 - 2833

 上記文献のFig.5に三角形格子CROWの分散特性が載っています。エアホールの半径r = 0.30a、誘電体基板の屈折率 n = 3.4です。

Cad図面(1)

f:id:ryujimiya:20130214082157p:plain

本当は上下境界には左右にもエアホールの一部がかかりますが、図面作成が難しかったので真ん中のホールだけで計算しました。上下境界も周期構造の境界に合わせました。

計算結果(1)

横軸はβd/(2π) (d = √3 a)、縦軸は a/λです。

 

偶モード

f:id:ryujimiya:20130214082553p:plain

βd / (2.0π) = 0.08未満もモードがありますが、モード分布が急激に変化するようで同じモードかどうかを判定する処理で失敗する為0.08未満は計算から除外しました。

奇モード

f:id:ryujimiya:20130214082613p:plain

今回の計算結果では、a /λ の値が文献の結果より 0.01程高周波側にずれているようです。

 

Cad図面(2)

構造を半周期だけずらして計算したときの結果を示します。

f:id:ryujimiya:20130214082646p:plain

 こちらは、上下境界の中央のエアホールの一部が再現されていませんがこの図面で計算した結果を示します。上下境界も周期構造の境界に合わせました。

計算結果(2)

偶モード

f:id:ryujimiya:20130214082800p:plain

奇モード

f:id:ryujimiya:20130214082811p:plain

 

三角形格子CROWの直線導波路伝達問題

 上記固有モードを使用して伝達問題を解いてみました。直線導波路で試してみました。

Cad図面(1)

 散乱特性計算結果(1)

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反射係数が最大で0.2を超えるところがあり、あまり精度はよくないようです。(どこか計算間違いかあるのかもしれませんが、原因不明です。計算が正しいとすると、共振器の結合部分が丁度入出力端になることと関係あるのかもしれません。)

【2013-07-19】dHz/dxの計算に誤差があり、それが影響していたようです。

 

Cad図面(2)

半周期だけ構造をずらして計算してみました。

散乱特性計算結果(2)

こちらは反射係数はほぼ0になっており問題のない計算結果が得られました。

 

【2013-07-19】

境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。