60°三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンド(CROWとの接続)
CROW:結合共振器光導波路を使った導波路90°曲りが下記文献に載っていました。60°三角形格子で導波路の伝搬方向を変える場合、構造から60°ベンドになりますが、下記文献では、一気に90°伝搬方向を変える構造が提案されています。
通常の欠陥導波路からCROWへ接続する構造です。
引用元:
V. Dinesh Kumar, T. Srinivas, A. Selvarajan,
"Analysis of 90 Degree Bend in Hexagonal Photonic Bandgap Structures."
Proceedings of Seventh International Conference on Optoelectronics, Fiber Optics and Photonics,
9-11 December 2004, Cochin, India.
http://een.iust.ac.ir/profs/Sadr/Papers/fbrp11.pdf
※上記アクセスできなくなっていましたが、下記キャッシュは残っていました。
文献のFig.1に90°ベンドの構造が載っています。また、この構造の透過特性がFig.6に載っています。
エアホールの半径 r = 0.35a、誘電体基板の屈折率 n = 2.8です。また、文献では格子定数 a = 0.45 μmとなっています。
ここでは、a/λ = 0.294 (λ = 1.53 μm)から a/λ = 0.314 (λ = 1.433 μm)の間の散乱係数を計算しました。
Cad図面
出力部は、前回のCROW直線導波路の散乱係数計算で誤差の少なかった周期構造の取り方をしています。
【2013-07-19】再計算の結果、周期構造の取り方によるCROW直線導波路の散乱係数の誤差はほとんどありませんでした。
計算結果
散乱係数の周波数特性
今回の計算では|S21| = 0.4~0.6で、電力透過係数としては、16%から36%でした。
磁界Hzの実数部の分布 (a/λ = 0.299 : λ = 1.505 μm)
磁界Hzの絶対値の分布(a/λ = 0.299 : λ = 1.505 μm)
入力側のフォトニック結晶欠陥導波路から出力側のCROWへ波が伝送されることが確認できますが、ベンド部での反射が大きいため、出力側の分布の強度は小さくなっています。
【2013-07-19】
境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。