三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化
エアホール型三角形格子フォトニック結晶導波路の60°ベンドは、正方格子の90°ベンドと比べるとあまり帯域が広くないようです。そこで広帯域化の手法が色々と提案されているようです。ここでは、60°ベンドの計算で最初に取り上げた文献に載っている広帯域ベンドの伝送特性を計算してみました。
引用元
Malihe Khatibi Moghaddam, Mir Mojtaba Mirsalehi, Amir Reza Attari
"A 60° photonic crystal waveguide bend with improved transmission characteristics"
http://www.if.pwr.wroc.pl/~optappl/pdf/2009/no2/optappl_3902p307.pdf
Optica Applicata, Vol. XXXIX, No. 2, 2009
Optica Applicata, 2009, Vol. 39 Issue 2, p307, June 2009
エアホールの半径r = 0.30a、基板の屈折率n = 2.76です。
初期構造
エアホール型60°三角形格子フォトニック導波路の60°ベンドの散乱特性のFEM解析
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/08/011939
広帯域構造
ベンド部の導波路に r' = 0.14aの小さいエアホールを3つ設けた構造です。文献のFig.4に構造と伝送特性が載っています。
今回の計算結果では、広帯域になることが確認できますが、反射はやや大きく最大で|S11| = 0.35になりました。電力にして12%の挿入損失になります。文献では、およそ電力透過90%あたりを推移しているようなのでほぼ一致していると思われます。
また文献では周波数特性のグラフはありませんが、設けるエアホールを1つにした場合、3つにした場合の帯域が表(Table1b)にまとめられています。
ちなみに1つの場合を計算してみると次のようになりました。
少し低周波側の特性が改善されていますが初期構造とそれほど変わらない結果になりました。
【2013-07-19】
境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。