三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(4)
方向性結合器の数値計算で、60°ベンドの特性改善が必要になってきたので追加で数値計算しました。
引用元
Malihe Khatibi Moghaddam, Mir Mojtaba Mirsalehi, Amir Reza Attari
"A 60° photonic crystal waveguide bend with improved transmission characteristics"
http://www.if.pwr.wroc.pl/~optappl/pdf/2009/no2/optappl_3902p307.pdf
Optica Applicata, 2009, Vol. 39 Issue 2, p307, June 2009
文献のFig.4とFig.5に60°ベンドの特性改善形状が載っています。Fig.4については以前計算しました。今回はFig.5の形状を数値計算したので掲載します。
エアホールの半径 r = 0.30a、基板の屈折率 n = 2.76で、導波路に設けた小さいエアホールの半径をr d、ベンドに面した1列目エアホールの半径を r ' としています。
先ず、初期構造の計算結果はこちら。
r d = 0.0、r ' = r
文献では、小さいエアホールを0.14a、大きいエアホールを0.32aにしたときが最適であると記載されています。
r d = 0.14a、 r ' = 0.32a(文献で述べられている最適値)
今回の計算では、これまでの広帯域ベンドと比べてあまり特性は良くない結果となりました。そこで、大きいエアホールの半径r ' を変更して計算した結果r' = 0.30 aのときが一番良い特性が得られました。
rb = 0.14a r'= r
ということは、小さいエアホールr dも今回の計算では最適値が異なるのではないかと思い、r ' = 0.30 a固定でr dを変化させてみました。その結果、r d = 0.13 aか0.12 aが最も良い特性となりました。
rb = 0.13a、r ' = r
rb = 0.12a、r ' = r
rb = 0.115a r ' = r
rb = 0.0、r '= r
以前の記事はこちら。
三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/15/210614
三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(2)
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/16/134731
三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(3)
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/21/020805
【2013-07-21】
境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。