エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析(3)
1つ前の記事で数値計算したジグザグ型の60°ベンドを用いた方向性結合器を数値計算してみました。エアホールの半径 r = 0.30a、基板の屈折率 n =2.76です。
初期形状
散乱係数計算結果(入力:1、スルー:2、ドロップ:3)
広帯域ベンドを用いた場合
小さいエアホールの半径rd、ベンド部の向かい合うエアホールの半径r ' とすると、前回の計算より rd = 0.12 a、r' = rのときの特性が一番よかったのでこれを使用しました。
rd = 0.12a、r ' = r
ん?よくならないですね。ちなみに下記文献で示されているrd = 0.14a、r ' = 0.32 aでやってみても改善しませんでした。
Malihe Khatibi Moghaddam, Mir Mojtaba Mirsalehi, Amir Reza Attari
"A 60° photonic crystal waveguide bend with improved transmission characteristics"
http://www.if.pwr.wroc.pl/~optappl/pdf/2009/no2/optappl_3902p307.pdf
Optica Applicata, 2009, Vol. 39 Issue 2, p307, June 2009
実は最も特性が良かったのが、小さいエアホールを設けない場合でした。小さいエアホールを設けない場合ベンド部の反射は前回の計算より大きいはずですが、なぜかドロップ出力を増大させるように作用しているようです。
rd = 0.0、r ' = r
【Appendix】
2チャンネル結合導波路の固有モード
エアホール半径r = 0.30a、基板の屈折率 n = 2.76
1チャンネルpモードが結合部に関しq対象のとき、p - qモードと表記しています。(p、qは偶か奇)
スーパーモード(偶-偶モード)
スーパーモード(偶ー奇モード)
スーパーモード(奇ー偶モード)
スーパーモード(奇ー奇モード)
文献のFig.7では奇ー偶モード、奇ー奇モードが結合解除点(decoupling point)を境に逆になっていますが、FEMによる計算でモード分布からをモードを逐次追跡したところ、結合解除点の右側(波数の大きい側)では、上側が奇モード、下側が偶モードでした。
2つのスーパーモード(偶ー偶モードと偶ー奇モード)の完全結合長
【2013-07-21】
境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。