ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析(4)

前の記事でドロップチャンネルの一端を終端した方向性結合器の伝送特性を計算したところ、ドロップチャンネルの60°ベンドに低損失なものを採用してもあまり特性が改善されませんでした。むしろ、反射のあるベンドの方が特性が良い結果となりました。

そこで、ドロップチャンネルを終端しない4ポートの方向性結合器の伝送特性を計算してみました。

 エアホールの半径 r = 0.30 a、基板の屈折率 n = 2.76です。

 散乱係数の周波数特性

 ポート番号は、入力ポート(左下):ポート1、スルー出力ポート(右下):ポート2、ドロップ出力(右上):ポート3、ドロップ反射出力(左上):ポート4です。ドロップ出力のある帯域では、ドロップチャンネルの反射出力もドロップ出力と同じくらいあることがわかります。前回ポート4を終端した場合ベンド特性を改善してもドロップ出力の改善につながらなかったのはこの反射が影響していると思われます。

a/λ = 0.26725の磁界Hzの実数部の分布 

 a/λ = 0.26825の磁界Hzの実数部の分布 

 

ポート4の終端位置を変化させた場合

ポート4の反射波の位相を調整することで、ドロップ出力が変化するか試してみました。

ベンドからL4 = 1.0aで終端 

 ベンドからL4 = 2.0aで終端 

 ベンドからL4 = 3.0aで終端 

 今回の計算ではベンドから2aの位置で終端したとき最もドロップ出力が改善されました。

 

【2013-07-21】

境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。