ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ダブルベンドの散乱係数計算

ベンドを2つ組み合わせて導波路をずらす構造をFEMで計算しました。2つの導波路を接続する導波路としてはCROWを採用しています。

エアホールの半径 r = 0.35 a、基板の屈折率 n = 2.8です。

(a) CROWをW1導波路から半周期ずらす構造

(a)の散乱係数計算結果

 ベンド1つの場合の透過係数はa/λ = 0.304以前では |S21|bend1 = 0.4程度でしたが、2つのベンドを接続した今回の構造ではおよそ|S21| = 0.16で、|S21| = (|S21|bend1)^2となっていることが確認できます。

またこの構造ではCROWのモードは偶モードが支配的です。

(b)  (a)の構造の特性改善版

 結合部のエアホールを小さくするとベンドの透過特性が改善されます。

  三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンドの特性改善

  http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/23/232018

(b)の散乱係数計算結果

1つのベンドの場合と比べると反射が大きいですが、特性は大幅に改善されています。

(c) CROWをW1導波路と同じ位置にする場合

(c)の散乱係数計算結果

 後半のCROW奇モード伝搬領域でW1導波路の基本モードの透過率|S2(1)1|が大きくなっています。ただ、a/λ = 0.306以降はW1導波路でも高次モードが伝搬するのでそちらへ変換される率も高いようです(図の|S2(2)1|)。

 

【2013-07-19】

境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。