1. はじめに
フォトニック結晶のバンド構造(Photonic Band Structure)、およびフォトニックバンドギャップ(Photonic Band Gap)を有限要素法(FEM)で計算しました。
フォトニック結晶導波路の計算では入出力の固有モードを求めるのに領域の左右の境界の周期境界条件を適用しましたが、フォトニックバンドギャップの計算の場合は上下の周期境界も必要になります。
また、周期構造の最小限の領域、つまりBrillouin Zone(BZ)を過不足なく含む解析領域にする必要があります。(いわゆる"folded" bandsの発生)
ここでは、正方形格子と60°三角形格子のフォトニックバンドの計算結果を示します。
2. 正方格子(誘電体ロッド、TEモード)
格子定数をa、誘電体ロッドの半径を0.18a、屈折率を3.4とします。
(点は有限要素分割の目安に設定しているもので物理的に何かあるわけではありません。)
Γ - X
X - M
M - G
フォトニックバンド構造とフォトニックバンドギャップ
フォトニックバンドギャップはa/λ = 0.3092 ~ 0.4514でした。
3. 三角形格子(エアホール、TMモード)
格子定数をa、エアホールの半径を0.30a、クラッドの屈折率を2.76とします。
Γ - K
K - M
M - Γ
フォトニックバンド構造とフォトニックバンドギャップ
フォトニックバンドギャップは a/λ = 0.2596 ~ 0.3284でした。
4.まとめ
フォトニック結晶の正方格子と三角形格子のフォトニックバンド構造およびフォトニックバンドギャップを計算しました。
計算はIvyFEMに実装しました。
三角形格子の領域の取り方については、上記のように傾ける方法や、六角形にして忠実にBZを再現する方法、長方形で境界条件を工夫する方法などがあります。
以前計算した下記記事を参照してください。