ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

FDTDによるH面誘電体装荷共振器のSパラメータの計算(2)

少しFFTのかけ方を変更しました。前回はポート1の電界の時間変化Ez(t)|x=x1から入射波を含む期間と反射波を含む期間を抽出してFFTを施しましたがこのとき、入射波の抽出期間と反射波の抽出期間は同じになるようにしていました。また透過波はポート2の電界の時間変化Ez(t)|x =x2から抽出しますがこちらも抽出期間は入射波と同じになるようにしていました。

今回、入射波、反射波、透過波の抽出期間は異なってもよいようにしました。

 入射波:Ez(t)|x = x1 の反射波が到達する時刻以降の波形データを0とする

 反射波:Ez(t)|x = x1の反射波が到達する時刻以前の波形データを0とする

 透過波:Ez(t)|x = x2の全データを使用

抽出した期間以外の時刻については電界を0として扱うことで、FFTにかける波形データの個数(期間)はどれも同じになります。

 図面(比誘電率分布)

f:id:ryujimiya:20130417001339p:plain

入力導波管の長さd1 = 400dxとします。 素のガウシアンパルスをポート1から入射したときの散乱係数S11、S21の計算結果は次の通りです。

f:id:ryujimiya:20130417001851p:plain

t = 2000 dt を境に入射波と反射波に分離してFFTを掛けています。前回の結果よりFEMで計算した結果に近くなっていると思います。

 

入力導波管の長さを出力導波管の長さと同じにした場合(d1 = 80 dx)の結果は以下の通りでした。

図面(比誘電率分布)

f:id:ryujimiya:20130417002458p:plain

散乱係数の計算結果

f:id:ryujimiya:20130417002506p:plain

この場合は、入射波の抽出期間がかなり短いのでその分精度は悪くなっているようです。

まだ改善の余地がありそうです。

 

※修正したソースコードは下記にアップロードしています。

https://gist.github.com/ryujimiya

 main_wg2d_problem01.m

 wg2d_dielectric_filter.m