2次元フォトニックバンドギャップの計算アプリ「PHバンド」
フォトニックバンドギャップを計算するアプリを探していたら、Vectorにて下記のアプリを見つけました。
PHバンド(小久保 吉裕氏作)
2次元円柱の三角形格子、正方格子についてフォトニックバンドの計算ができるようです。
r = 0.18a, 比誘電率εr = 11.56(屈折率n = 3.4)の正方格子で実行させた結果は次の通りでした。
「PHバンド」の出力結果
フォトニックバンドギャップはa/λが0.317~0.459と出力されました。
※偏光方向の選択に「E波(TM)」を設定しました。ここでいうTMというのは円柱の方向、つまり2次元平面の縦方向に磁界がないモードを意味するようです。これは基本モードについて言えば、TEモードを入射したときのフォトニック結晶導波路のモードに対応すると思います。
ここで計算したフォトニック結晶正方格子は、前回までのフォトニック結晶導波路の固有モード計算(フォトニック結晶導波路2チャンネルとフォトニック結晶導波路単一チャンネル)にて引用した論文で扱っている構造です。
Masanori Koshiba,
"Wavelength division multiplexing and demultiplexing with photonic crystal waveguide couplers"
http://eprints2008.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/5582/1/JLT19-12.pdf
Journal of Lightwave Technology, vol. 19, no. 12, December 2001
この論文によるとこのフォトニックバンドギャップはa/λが0.302~0.443の間に存在するとあります。「PHバンド」の計算結果と少し差がありますが、両者はおよそ一致していると思います(どちらが正しいのかはよくわかりません、もしかしたら私の入力データのミスがあるかも)。
いいアプリだなと思いました。このアプリはフォトニックバンドギャップとは何かを理解する助けになりそうです。