H面導波管シミュレータ(version1.6.0.1)、H面導波管シミュレータXDelFEM(version1.6.0.0)でE面導波管の計算と平行平板導波路TMモードの計算を追加しました。
今度は誘電体スラブ導波路の不連続を計算してみます。
誘電体スラブ終端(TMモード)(Slab waveguide termination for TM modes)
引用元はこちら。
G. Latsas, A. B. Manenkov, I. G. Tigelis, E. Sarri
"Reflectivity properties of an abruptly ended asymmetrical slab waveguide for the case of transverse magnetic modes"
http://www.control.ece.ntua.gr/papers/89.pdf
Journal of the Optical Society of America A Vol. 17 No. 1, January 2000
散乱係数の周波数特性
散乱係数の周波数特性(対数表示)
反射係数|S11|は0.52(電力反射|S11|^2が0.52*0.52=0.27)付近を推移しています。一方引用元の計算では、Integral equation method (third order) 0.2697とあるのでほぼ同じ結果が得られています。
2W/λ = 2.0, 4.0等で共振が見られますがこれは上下に電気壁を導入しているために発生しているもので、電気壁のない無限遠まで続く誘電体スラブの場合はこの共振は発生しないと思われます。
電磁界分布(2W/λ = 5.0)
|Hz|の分布、Real(Hz)の分布
Real(Ex,Ey)の分布、Real(Poynting Vector)の分布
【追記】
PML(Perfectly matched layer)を使用して計算した結果を比較として載せます。
なおこちらの場合は規格化周波数を2V/λ = 2W √(n1^2 - n2^2) / λ (W:コアの幅)で計算しています。
計算結果(PML装荷)
散乱係数の周波数特性(PML装荷)
散乱係数の周波数特性(PML装荷)(対数表示)
反射係数は0.51前後を一定で推移しています。なお、ポート2は透過係数を求めるために設置したもので境界条件は何も設定していません。
電磁界分布(PML装荷)(2V/λ = 2W √(n1^2 - n2^2) / λ = 0.5)
PMLを装荷した場合は解析端からの反射が抑えられるのできれいな放射分布が得られました。