三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンドの特性改善
以前、フォトニック結晶導波路の90°ベンドを計算しました。
60°三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンド(CROWとの接続)
http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/11/180800
※引用元
V. Dinesh Kumar, T. Srinivas, A. Selvarajan,
"Analysis of 90 Degree Bend in Hexagonal Photonic Bandgap Structures."
Proceedings of Seventh International Conference on Optoelectronics, Fiber Optics and Photonics,
9-11 December 2004, Cochin, India.
http://een.iust.ac.ir/profs/Sadr/Papers/fbrp11.pdf
または、
エアホールの半径 r = 0.35 a、基板の屈折率 n = 2.8です。
さて、エアホールを調整して特性を改善する手法が結構使用されているようなので、この構造でも特性が改善できるかやってみました。
その結果特性が改善されたのでここに掲載します。
改善構造
ベンドの2つの導波路結合部のエアホールを小さくしていくとa/λ = 0.30付近の特性が改善されました。もっとも特性が良かったのはエアホールの半径 r ' = 0.16 a のときでした。
(1) 結合部エアホールの半径 r ' = 0.16 a
r' = 0.16aのとき、a/λ = 0.294 から0.303の間でほぼ|S11| = 0.2以下になっており電力反射率は4%以下に抑えられています。一方 r' = 0.35 aの初期構造の場合|S11| = 0.9なのでかなり改善しているといえます。
a/λ = 0.30のときの磁界の分布は次の通りです。
磁界Hzの分布( a/λ = 0.30 )
磁界Hzの絶対値の分布( a/λ = 0.30 )
なお、結合部エアホールが他のサイズの場合の計算結果は以下の通りでした。
(2) 結合部エアホールの半径 r ' = 0.12 a
(3) 結合部エアホールの半径 r ' = 0.14 a
(4) 結合部エアホールの半径 r ' = 0.18 a
(5) 結合部エアホールの半径 r ' = 0.20 a
【2013-07-19】
境界上のdHz/dxの計算に誤差があったので修正し、散乱係数周波数特性を再計算しました。