ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

edge elementsを用いた導波路のfull-wave固有モード計算の定式化と計算結果

1.はじめに 2次元導波路のfull-wave固有モードを計算するとき、通常の三角形要素(スカラ要素)だけでは、断面内の電磁界を表現できないのでedge elementを導入する必要があります。 2. 定式化 pdfにまとめました。 http://starlightparade.usamimi.info/ivy…

周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路CROW(coupled-resonator optical waveguide)の固有値問題、伝達問題の計算

1. はじめに フォトニック結晶に空洞(欠陥、共振器)を1ロッドおきに並べて結合させると導波路として使えます。この構造をCROW(coupled-resonator optical waveguide)と呼んでいます。 CROWの固有モード、および反射・透過特性を去年の11月終わりころIvyFEM…

Motor Methodによる2弾性体の接触問題の定式化

前記事で弾性体の変形解析の定式化を示しました。そこでは1つの弾性体が対象でした。ここでは、2つの弾性体が接触する問題を定式化しています。 Motor Methodと呼ばれる方法を用いて接触に関する拘束条件を課しています。 Two-body Contact By Mortor Method…

Ogden超弾性体のTotal Lagrange法によるFEMの定式化

非圧縮超弾性体はゴムなどの材料のモデルとして使用されるようです。 超弾性体はひずみポテンシャルを有する弾性体で、Mooney-Rivlinモデル、Ogdenモデルなどがあります。 どちらも実装しましたが、ここでは、Ogdenモデルを用いた場合の定式化を示します。 …

周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路の伝達問題の定式化 ーポート境界に固有モード展開を用いる

フォトニック結晶導波路の伝達問題(不連続問題 discontinuity problem、決定問題 deterministic problemとも呼ばれます)をFEMで計算しましたが、その定式化をpdfにまとめました。 伝達問題では、ポート上の界をどのようにとり扱うかがポイントになります。 …

Streamline Upwind Petrov-Galerkin (SUPG)によるNavier-Stokes方程式のFEM定式化

Navier-Stokes方程式をFEMで解く場合、標準ガラーキン法を用いると粘性率が小さい場合発散して解を求めることができなくなります。これに対する解決策としてSUPG(Streamline Upwind Petrov-Galerkin)法という安定化の方法があります。 昨年実装したSUPGの定…

流体力学:Navier-Stokes方程式の弱形式

流体力学の基本方程式Navier-Stokesの方程式の弱形式について思ったことを記述しました。 非圧縮Navier-Stokes方程式を出発点として弱形式を導き出すと、自然境界条件があいまいとなり物理的な境界条件でないことが分かりました。 自然境界条件が物理的な境…

周波数領域FEMのためのPeriodic Boundary Conditionsを用いたフォトニック結晶導波路の伝達問題

1, はじめに フォトニック結晶導波路をFEMで解析するとき、時間領域FEMではPeriodic Boundary Contions(PBC)はうまくいきませんでした。 しかし、時間領域FEMのPBGでは最初はそんなに問題なさそうな時間変化をするので1周波数でないのがPBGの精度劣化につな…

時間領域FEMによるフォトニック結晶導波路の計算(完全整合層PML、吸収境界条件ABC、周期境界条件PBC)

1. はじめに 時間領域 FEM でフォトニック結晶導波路を解析する場合、ポート境界の界を扱う方法としてはいくつか考えられます。(1) 完全整合層 (Perfectly Matched Layers, PML)(2) 吸収境界条件 (Absorbing Boundary Conditions, ABC)(3) 周期境界条件 (Per…

PMLを用いた周波数領域FEMによるフォトニック結晶導波路伝達問題の計算

1. はじめに 以前フォトニック結晶導波路の伝達問題を周波数領域FEMで解きましたが、固有モード展開に基づく定式化でした。 ryujimiya.hatenablog.com 今回は周波数領域の完全整合層(PML)を用いて計算しました。 PMLの領域の媒質は、内部領域と同じ構造を維…

正方格子と三角形格子のフォトニックバンドギャップ(Photonic Band Gap)の計算

1. はじめに フォトニック結晶のバンド構造(Photonic Band Structure)、およびフォトニックバンドギャップ(Photonic Band Gap)を有限要素法(FEM)で計算しました。 フォトニック結晶導波路の計算では入出力の固有モードを求めるのに領域の左右の境界の周期境…

時間領域FEMおよび周波数領域のためのPMLを用いた誘電体スラブ導波路の終端の計算

1.はじめに 前記事に引き続き、時間領域PMLと周波数領域PMLを用いて計算しました。今回は誘電体スラブ導波路が終端されたときの反射および放射を計算しています。 ryujimiya.hatenablog.com 以下の計算では誘電体スラブのコアの屈折率はn1 = 3.6、クラッドの…

時間領域FEMおよび周波数領域FEMのためのPMLを用いたH面導波管直角コーナーベンドの計算

1.はじめに 前日の記事で時間領域FEMの完全整合層(PML)を定式化しました。 ryujimiya.hatenablog.com この記事ではこの定式化を用いてH面導波管直角コーナーベンドを計算した結果を示します。 2.直線導波管(時間領域PML) PMLの精度を調べるために直線導波管…

時間領域FEMの完全整合層(PML)の定式化

時間領域有限要素法(TDFEM)の完全整合層(Perfectly Matched Layers, PML)としては、Jiao-Jin-Michielssen-Rileyが導出した3次元問題のものがあります。Jiao-Jin-Michielssen-Rileyの定式化と等価な2次元のPMLの導出しました。定式化はx方向PML、y方向PML、x,…

時間領域FEMの伝搬波とエバネセント波の両方を吸収する高次吸収境界条件(Higher OrderABC)の定式化

時間領域FEMで、伝搬波とエバネセント波の両方を吸収できる高次ABCを定式化しました。これを用いた計算例として、誘電体スラブ導波路の終端の反射係数を計算しました。(下記記事) ryujimiya.hatenablog.com この記事では定式化したものをpdfにまとめたので…

周波数領域FEMによる高次ABCを用いた2D導波路のSパラメータの計算

1. はじめに 時間領域のFEMにおいて高次を含むABC(吸収境界条件)を用いた計算をすでに試しました。 今回は周波数領域FEM向けにABCを定式化し、導波路のSパラメータの周波数特性を計算しています。 2. 周波数領域FEMのための高次ABC(吸収境界条件) 境界の減衰…

時間領域FEM(1次ABC)による誘電体スラブ導波路(TMモード)の終端の反射係数の計算

1. はじめに 誘電体スラブ導波路を終端し、TMモードを入射したとき終端から反射される波を時間領域FEMでシミュレーションしました。 この記事では2種類のケースを考えます。 (ケース1)平行平板誘電体スラブ導波路 図の1 - 8及び2 - 7は電気壁として計算し…

IvyFEM開発日誌(10).NET 有限要素法 IvyFEM 0.0.0.21 - 時間領域FEMによるH面導波管直角コーナーベンドの散乱係数の計算(Givoli-Neta-Patlashenko's High order ABC)

IvyFEM.dll 0.0.0.21をリリースしました。 github.com Givoli-Neta-Patlashenkoの高次ABCを用いた時間領域FEMに対応しました。 この方法は以前に実装してみたことがありました。PML(これも試した)のように追加領域を必要とせず解けるのでメモリの節約にな…

IvyFEM開発日誌(9).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM ver 0.0.0.19 フォトニック結晶導波路伝達問題(正方格子、三角形格子)

IvyFEM.dll version 0.0.0.19をリリースしました。 GitHub - ryujimiya/IvyFEM: .NET向け有限要素法(FEM)を用いたCAEライブラリ フォトニック結晶導波路の各種伝達問題に対応しました。 〇正方格子、誘電体ロッド型 直角ベンドの透過特性の計算結果 〇三角形…

IvyFEM開発日誌(8).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM Bellの三角形要素(Bell Triangle)

三角形要素で、値とその法線微分が連続であるような補間関数としてBell Triangleがあることを知りました。Pressure Poisson Equationでもしかすると法線微分も連続でないと駄目なんじゃないかと思い探していて見つけました。 ただ形状関数まで詳しく記してい…

IvyFEM開発日誌(7).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM 0.0.0.16 - フォトニック結晶導波路伝達問題

IvyFEM.dll 0.0.0.16をリリースしました。 GitHub - ryujimiya/IvyFEM: .NET向け有限要素法(FEM)を用いたCAEライブラリ フォトニック結晶導波路の伝達問題 ベンド 角を緩和したベンド

IvyFEM開発日誌(6).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM 0.0.0.10 - SUPG(Streamline Upwind Petrov-Galerkin)安定化有限要素法に対応

.NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM.dll、ver.0.0.0.10をリリースしました。 下記からダウンロードできます。 GitHub - ryujimiya/IvyFEM: .NET向け有限要素法(FEM)を用いたCAEライブラリ 前回、流体の方程式 Navier-Stokesの方程式に対応しましたが標準のガ…

IvyFEM開発日誌(5).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM スクリーンショット(初期対応のもの)

.NET有限要素法CAEライブラリIvyFEMのスクリーンショットを掲載します。 (1)メッシュ 領域を三角形分割します。穴のような分割しない領域を指定できます。 (2)弾性体の変形 線形弾性体の変形を計算できます。定常解析と時間領域解析ができます。 図は…

IvyFEM開発日誌(4).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM Navier-Stokes方程式など各種問題に対応(バージョン0.0.0.5)

IvyFEM.dll バージョン0.0.0.5をリリースしました。(まだデバッグ版のみです) GitHub - ryujimiya/IvyFEM: .NET向け有限要素法(FEM)を用いたCAEライブラリ いまできる解析は次の通りです。太字が今回新しく対応したものです。 弾性体力学:線形弾性体 超弾…

IvyFEM開発日誌(3).NET有限要素法CAEライブラリIvyFEM バージョン0.0.0.1をリリースしました

.NETで使用可能な有限要素法(FEM)CAEライブラリ、IvyFEM バージョン0.0.0.1をリリースしました。 計算できるものがまだ限られていますが- 図面作成- 図面ファイルの読み書き- 計算- 結果表示の流れは提供できたのでようやくライブラリ化しました。 IvyFEM ht…

IvyFEM開発日誌(2)いま二弾性体の接触問題やっています 

一か月ごとに記事を書くつもりだったけれど弾性体力学の有限要素法に苦戦していてなかなか前に進まない状態が続いています。 現在の進捗は以下の通り ☑ 単純な2D(ポリゴン)の図面作成 ☑ 有限要素(三角形要素)分割 ☑ 有限要素行列の作成 (*1) ☑ リニアシ…

IvyFEM開発日誌(1)H面導波管ベンドの伝達問題を解けるようにした

IvyFEM開発日誌としていますが、月一ぐらいの進捗報告になる予定です。 READMEに書いた事柄を抜粋しておきます。 ☑ 単純な2D(ポリゴン)の図面作成 ☑ 有限要素(三角形要素)分割 ☑ 有限要素行列の作成 (*1) ☑ リニアシステムを解く(LAPACKEを使用)(*1)…

新ライブラリ IvyFEM: DelFEM4Netの後継ライブラリ開発スタート

DelFEM4Netを開発してから5年あまりが過ぎ、そろそろリニューアルしなくちゃなと思いました。今回はDelFEM4Netのバージョンアップでなく、一から実装したいと思います。 そのためライブラリ名も新しいものにします。 新ライブラリ:IvyFEM 一番大きな変更は…

PhCFem 1.0.0.0

フォトニック結晶導波路の伝達問題のアプリケーションを作りました。 ryujimiya/PhCFem · GitHub 周期構造導波路固有モード解析用FEMとモード展開伝達問題FEMを用いています。 周期構造導波路解析FEMは、緩慢変化包絡線近似(SVEA:Slowly variying envelope a…

HPlaneWGSimulator 1.6.0.5 & HPlaneWGSimulatorXDelFEM 1.6.0.6 Release

■HPlaneWGSimulator 1.6.0.5 ryujimiya/HPlaneWGSimulator · GitHub ■HPlaneWGSimulatorXDelFEM 1.6.0.6 ryujimiya/HPlaneWGSimulatorXDelFEM · GitHub 複数の導波路モードが伝搬する場合に高次モードの結果も表示するようにしました。 (以前のバージョンで…