ryujimiyaの日記

C#を使って数値解析したい

2013-01-01から1年間の記事一覧

遮断導波路を用いたフォトニック結晶導波路マルチプレクサの特性計算(2)

前回、遮断導波路を用いたマルチプレクサの数値計算を行いましたが、扱ったのは1段目のみでした。今回はトリプレクサ全体の伝送特性を数値計算します。前回の記事の文献(2)に掲載されているものです。 ただし、メモリ不足の為少し分割を粗くしています。ま…

フォトニック結晶ナノ共振器のFEM数値計算

Q値が45000に達するナノ共振器が下記文献に記述されていました。エアホールの欠陥による共振器ですが、共振器の側面のエアホールの位置を外側にずらすことで高Q値の共振器を実現しています。なぜこのような方法をとると高Q値が得られるのかについても定性的…

遮断導波路を用いたフォトニック結晶導波路マルチプレクサの特性計算

フォトニック結晶導波路でマルチプレクサを構成する方法の1つに異なるカットオフ周波数を持つ導波路を接続する方法があるようです。 (1) Tapio Niemi, Lars Hagedorn Frandsen, Kristian Knak Hede, Anders Harpoth, Peter Ingo Borel, and Martin Kristens…

エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析(4)

前の記事でドロップチャンネルの一端を終端した方向性結合器の伝送特性を計算したところ、ドロップチャンネルの60°ベンドに低損失なものを採用してもあまり特性が改善されませんでした。むしろ、反射のあるベンドの方が特性が良い結果となりました。 そこで…

エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析(3)

1つ前の記事で数値計算したジグザグ型の60°ベンドを用いた方向性結合器を数値計算してみました。エアホールの半径 r = 0.30a、基板の屈折率 n =2.76です。 初期形状 散乱係数計算結果(入力:1、スルー:2、ドロップ:3) 広帯域ベンドを用いた場合 小さい…

三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(4)

方向性結合器の数値計算で、60°ベンドの特性改善が必要になってきたので追加で数値計算しました。 引用元 Malihe Khatibi Moghaddam, Mir Mojtaba Mirsalehi, Amir Reza Attari "A 60° photonic crystal waveguide bend with improved transmission characte…

スルーチャンネルにベンドを設けたエアホール型フォトニック結晶方向性結合器

これまではドロップチャンネルの導波路にベンドを設けた構造の方向性結合器を扱っていましたが、今回はスルーチャンネルの導波路にベンドを設けた構造を数値計算します。 エアホール型フォトニック結晶で、エアホールの半径r = 0.3a、基板の屈折率 n = 3.4で…

エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析(2)

前回の記事の続きです。 エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析 http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/03/08/023633 前回、上図のような方向性結合器(エアホール半径r = 0.30 a、基板の屈折率n = 3.4)の特性をFEMで…

エアホール型フォトニック結晶方向性結合器の固有モード&伝送特性FEM解析

三角形格子のフォトニック結晶を用いた方向性結合器の伝送特性をFEMで計算してみました。 引用元はこちら。 J. Zimmermanna, M. Kampa, A. Forchela, R. Marzb "Photonic crystal waveguide directional couplers as wavelength selective optical filters" …

フォトニック結晶導波路90°ダブルベンド(Γ-M方向 5列欠陥)の散乱係数計算

フォトニック結晶(PhC)導波路のダブルベンドで、ベンド部のΓ-M方向の導波路が1列欠陥(W1、Coupled Resonator Optical Waveguides)、3列欠陥(W3)のものの伝送特性を計算しました。今回は5列欠陥(W5)の試作例が見つかったので、これを数値計算してみます。 引…

ΓM導波路(W3)の固有値解析と90°ベンドの伝送特性計算

三角形格子のフォトニック結晶で、Γ-M方向に欠陥を設けた導波路として以前CROWを計算しました。CROWの場合、欠陥は1列だけでしたが、もっと欠陥を増やして共振器でなく通常の導波メカニズムで伝搬可能な導波路も製作されているようです。 引用元 (1) Ya-Zhao…

三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ダブルベンドの散乱係数計算

ベンドを2つ組み合わせて導波路をずらす構造をFEMで計算しました。2つの導波路を接続する導波路としてはCROWを採用しています。 エアホールの半径 r = 0.35 a、基板の屈折率 n = 2.8です。 (a) CROWをW1導波路から半周期ずらす構造 (a)の散乱係数計算結果 …

60°三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンド(CROWとの接続)(2)

三角形格子のフォトニック結晶でW1導波路とそれに垂直なCROW(Coupled Resonator Optical Waveguides)を接続する構造としては何通りか考えられます。 (a) CROWの共振器位置をW1導波路から半周期ずらす構造 (b) CROWの共振器位置をW1導波路と同じ位置にする構…

三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンドの特性改善

以前、フォトニック結晶導波路の90°ベンドを計算しました。 60°三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンド(CROWとの接続) http://ryujimiya.hatenablog.com/entry/2013/02/11/180800 ※引用元 V. Dinesh Kumar, T. Srinivas, A. Selvarajan, "Analysis of …

三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(3)

引用元 Zhen Hu, Ya Yan Lu Improved bends for two-dimensional photonic crystal waveguides http://math.cityu.edu.hk/~mayylu/papers/huzhen5.pdf Optics Communications vol. 284, Issue 12, 1 June 2011, p. 2812 - 2816 エアホールの半径 r = 0.29 a…

三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化(2)

前回に引き続きエアホール型三角形格子フォトニック結晶導波路の60°ベンドの広帯域構造の伝送特性を計算します。 引用元 Gang Ren, Wanhua Zheng, Yejin Zhang, Ke Wang, Xiaoyu Du, Mingxin Xing, and Lianghui Chen ”Mode Analysis and Design of a Low-Lo…

三角形格子フォトニック結晶導波路60°ベンドの広帯域化

エアホール型三角形格子フォトニック結晶導波路の60°ベンドは、正方格子の90°ベンドと比べるとあまり帯域が広くないようです。そこで広帯域化の手法が色々と提案されているようです。ここでは、60°ベンドの計算で最初に取り上げた文献に載っている広帯域ベン…

60°三角形格子フォトニック結晶導波路の90°ベンド(CROWとの接続)

CROW:結合共振器光導波路を使った導波路90°曲りが下記文献に載っていました。60°三角形格子で導波路の伝搬方向を変える場合、構造から60°ベンドになりますが、下記文献では、一気に90°伝搬方向を変える構造が提案されています。 通常の欠陥導波路からCROWへ…

三角形格子フォトニック結晶導波路のΓM方向の欠陥(結合共振器導波路 coupled resonator optical waveguide)

60°三角形格子のフォトニック結晶で導波路を構成するとき、結晶のΓ-K方向に欠陥を設けますが、Γ-M方向に欠陥を設けた構造もあるようです。特に1つの欠陥だけ設けた場合共振器を並べたような構成となり、共振器が互いに結合する形で波が運ばれていくようです…

エアホール型60°三角形格子フォトニック導波路の60°ベンドの散乱特性のFEM解析(2)

フォトニック結晶導波路の60°ベンドの散乱特性を前回計算しましたが、検証用資料として別の文献の結果と比較してみます。 【2013-2-14】導波路固有モード展開の計算精度が悪かったので、再計算したものに差し替えました。 前回: エアホール型60°三角形格子…

エアホール型60°三角形格子フォトニック導波路の60°ベンドの散乱特性のFEM解析

エアホール型60°三角形フォトニック導波路の60°ベンドの伝送特性をΦを直接解く固有モード解析方法と固有モード展開に基づくFEM伝達問題の解析方法を組み合わせた方法で解いてみました。(前回の記事で実装したものです。) 引用元はこちら。 Malihe Khatibi …

45°三角形格子誘電体ロッドフォトニック導波路90°ベンドの散乱係数計算-固有モード計算方法の比較-

これまでの実装より、周波数を与えて伝搬定数を求める周期構造導波路解析用FEMは、定式化としてΦを直接解く定式化とΦ=φexp(-jβx)と置く定式化の2種類、計算方法として反復による方法と全モードを取得する方法の2種類あることが分かりました。 ここでは、こ…

周波数を与えて伝搬定数を求める周期構造導波路のFEM表示式(2) -境界節点界のみを用いる方法-

周期構造導波路のFEM固有値解析で、界分布Φを直接解く方法でも周波数を与えて伝搬定数を求めることができましたが、この方法は問題を更に縮小できることが分かりました。 前回: 周波数を与えて伝搬定数を求める周期構造導波路のFEM表示式 http://ryujimiya.…

周波数を与えて伝搬定数を求める周期構造導波路のFEM表示式

周期構造導波路の固有値問題を解くFEMには2種類の定式化があります。 (1) Φ(x, y) = φ(x, y) exp( - jβx) と置く方法 FEM表示式としては、伝搬定数を与えて固有周波数を求める式 [S] {φ} - k0^2 [T] {φ} = {0} または、動作周波数を与えて伝搬定数を求める式…

エアホール型三角形格子フォトニック結晶欠陥導波路の固有モードの計算

フォトニック結晶導波路、三角形格子で文献を検索すると、誘電体ロッドで構成している導波路は稀で、ほとんどは誘電体基盤に穴をあけたフォトニック結晶をあつかっているようです。 最初に計算したときに引用した文献 Masanori Koshiba, "Wavelength divisio…

三角形格子フォトニック欠陥導波路90°ベンドの散乱係数のFEMによる計算

三角形格子でも(残された課題はあるものの)周波数に対する固有モードを計算することができたので、今回は三角形格子フォトニック結晶欠陥導波路の伝達問題を解いてみます。 45°三角形格子直線導波路の散乱係数の計算 まずは精度の確認の為直線導波路の散乱…

三角形格子のフォトニック結晶欠陥導波路の固有モード計算(2) -周波数を与えて伝搬定数を求めるFEMの場合-

前回、三角形格子の場合のフォトニック結晶欠陥導波路の固有値を2種類の方法で計算しましたが、どちらも伝搬定数βを与えて固有周波数を求める方法をとりました。 ここでは、周波数を与えて伝搬定数を求める方法で計算した結果を示します。 引き続き、誘電体…

三角形格子のフォトニック結晶欠陥導波路の固有モード計算

これまで正方格子のフォトニック結晶導波路について固有値問題、伝達問題を計算しましたが、三角形格子ではどうなるかやってみました。 三角形格子の場合、正方格子の解析で用いた周期構造導波路の固有値問題の定式化では文献と比較してうまくいかないケース…